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現行戸籍制度は本当に維持すべきなのか?

今こそ、戸籍制度について語ろう

戸籍について、橋下徹弁護士が「現行制度をなくしてしまい、戸籍の内容はマイナンバーに紐付ければいい」という旨のツイートをされているというネットニュースを見ました。そのコメント欄を見て、「自分(コメント投稿者)は何も困ってない、困ってるのは後ろ暗いところがある人だけ」「今の戸籍をそのまま運用すべき」といったようなコメントがそのサイトには大多数で、戸籍に関しての問題は認知されていないんだなぁと感じました。

というのも、わたしは以前、お役所で戸籍に関する仕事をしていたことがあります。その経験からわたし個人の意見として、現在の戸籍制度はもう完全に形骸化しているなぁと、制度改善が必要だなぁと感じていました。そのことを知って頂けたらいいのになぁと思っていたので、今回書いてみました。

戸籍とは

戸籍って特別に勉強された方以外は薄ぼんやりとしたもの、婚姻届等を出すとき・パスポートを作るときに必要なもの、ぐらいの認識ではないでしょうか。わたしも戸籍の仕事をするまでそう思っていました。窓口に来られる方も、住民票(住所)を移せば一緒に戸籍も移動するもの、とかそういう間違った認識の方がとても多かったです。

戸籍(こせき)とは、戸と呼ばれる家族集団単位で国民を登録する目的で作成される公文書である。現在では、出生(親と生年月日)・氏名・婚姻(配偶者)・子・養子縁組・国籍の離脱等の個人の関係(法的に「身分関係」と呼ぶが差別的な意味ではない。)を明確にし、婚姻・離婚の届出や日本国旅券の発行を容易にするものである。(戸籍 - Wikipediaより)

戸籍は住所とは全く別のものなので、住所変更を役所で手続きしても本籍、本籍地(=戸籍を作った土地の番地)は変わりません。本籍が変わるのは、結婚をして婚姻届を出したり、離婚して離婚届を出したとき(勿論これだけじゃありませんが)等です。本籍地自体を変えることも、転籍届という書類を提出すれば可能です。

そうなんです。両親が健在で出生し、誰かと結婚し、その人との子供をもうけ、死亡する、というオーソドックスな人生を歩まれた方には、まぁ問題ない現行戸籍制度なんです。

ですが、そうでなかった場合、現行の戸籍制度だと結構大変なことになります。

現行戸籍制度、何がダメなの?

戸籍は、生きている方には、婚姻等の届出やパスポートでしか取得する機会がないと思います。しかし、戸籍はもう一つ、大切な役目があります。人が亡くなったとき、その人の出生が記載された戸籍から、現在の戸籍までの全部が必要になります。

それが、前述したオーソドックスな人生を歩まれた方であっても、出生時の父または母が筆頭(戸籍の一番最初に名前がある人のことです)の戸籍と、結婚して自分または配偶者が筆頭の戸籍を新しく作った戸籍、そして政府が時折「改製」といって、戸籍の記載ルールや記載方法を変えたりしてその改製したぶんだけ新しい戸籍が作られるので、実際相続で必要な戸籍謄本というのは出生の記載された戸籍、結婚した時の戸籍、あとは改製分の戸籍がプラスアルファ取得必須となります。

亡くなった方の人生がオーソドックスでない場合、もっと取得しなければならない戸籍謄本の数が増えていきます。そうなると、残された遺族の戸籍取得に関する手間もとんでもないものですし、ころころ本籍地を変えていると役所の職員も戸籍を辿るのに時間がかかったり、戸籍を取りに来られた方に戸籍の流れを解説する職員の説明も煩雑になってしまいます。

なので、簡潔な戸籍(オーソドックス、謄本の枚数が少ないということ)が望ましいわけですね。以下、もっと具体的に問題点を挙げていきます。

本籍地でしか取得できないとか、何なの? 馬鹿なの?

戸籍謄本(謄本:戸籍に記載されている全員が載ってるもの)取得の際は、それぞれの戸籍の本籍地でしか取得できません。つまり、島根県出雲市が本籍地の戸籍に出生が記載され、その後結婚して神奈川県相模原市に本籍をおいて戸籍を作り、自分の家を買った大阪府河内長野市に転籍して本籍を移したとしたら、出生から現在までの戸籍は出雲市、相模原市、河内長野市でのみ、取得できます。

このインターネットが普及した昨今、この融通のきかない制度、かなり面倒臭くないですか? 「もう住所地(=今いる役所)で取らせてくれよ、おんなじ役所じゃん!」と何回来場者の方に言われたかしれません。わたしもどこでも取れるようにしろよ! ってずっと思いながら「申し訳ありません、戸籍謄本・抄本は本籍地の役所でしか取れないんです」という説明をしていました。

土地に個人情報を結び付ける意味、もうなくね?

昔の人は、両親健在のもと出生し、ほぼ必ず結婚し、ほぼ必ず自分の家を持ち、子供を作る、結婚は1回で離婚はせずに一生を終える、という方が多かったから、親子の2世帯記載で自分の土地番号に個人情報を結び付けるのが妥当だったんだと思います。ただ、現在の日本の状況では、人は必ず結婚して土地を持って家を建てるかといえば、必ずしもイエスとはいえないと思います。賃貸で一生を終える方だっていらっしゃいます。

つまり、土地に個人情報を結び付けるのに無理があるんですよね。最早東京タワーや大阪城、皇居、二人が出会った図書館の住所(地番という意味です)を本籍地にします、なんてこともまかり通るわけです。(一応、住所があれば、本籍地はどこでもおけるからですね)

自分で決めたなら転籍、入籍もいいけど…

正直、離婚してお母さんが自分一人の戸籍を新しく作り、子供をお母さんの戸籍に入籍(簡単に言うと戸籍を移動させる手続きです)させ、離婚という記載をなくすために転籍する(転籍という手続きで新しく作った戸籍は離婚の情報は記載されません)、なんてことはザラにあります。

戸籍をいじってるお母さんは、ご自身が決めたことですので、戸籍が何個できようとも構わないという方が大多数だとは思うのですが、子供たちも一緒に戸籍が増えていくんですよね。一番最新の戸籍はキレイかもしれませんが、戸籍の数が多いというのは簡潔な戸籍とは言いがたいです。

というか、最近は離婚再婚再び離婚、なんてのは一般的になりつつあるので、そういった方の相続時の戸籍はわたしは職員側としても、遺族側としても探したくないですね。とりあえず辞職して良かったと思います。

特殊な事情がある方に対して

例えば、母親が毒親で極端に子供に依存していてその母から逃げたい、未婚の子供がいるとします。すると、未婚の子供は原則親の戸籍に一緒に記載されているので、実家から逃げて遠いところに住所を移して、母から住民票の住所を隠したいと思っても戸籍には附票(住民票の住所が記載されている一覧)があり、母であれば同じ戸籍にいる子の附票は問題なく取得でき、現住所地が母にバレます。

婚姻して母と別の戸籍になったり、分籍といって父母の戸籍から自分一人の戸籍を新しく作ったとしても、直系尊属(自分の父母等)・卑属(自分の子等)であれば戸籍謄本、附票は基本的には取得できます。逃げられないんですね。
これ、虐待されている子なんかにも全く同じことが言えるんですよ…。

もう一つの例としては、離婚後、女性には再婚できない期間があります。もしその辺りフワッとしてたら父親が誰か分からない(法律上、という意味でですね)子供ができてしまうので、再婚禁止期間に生まれた子供って、実際の血を分けた父親とは別であっても、元旦那の戸籍に一旦入ることになります。それを血を分けた父親の戸籍に入れ直すことは勿論可能ですが、生まれたお子さんの戸籍は余計に1つ増えている訳です。

戸籍を増やさないよう、元旦那の戸籍に子供を入れたくないという母の都合等で無戸籍(出生届を出さない)の子供、というのが発生したりすることもあります。戸籍がないと住所がおけず、またそういう場合高確率で国民健康保険に加入希望で、国民健康保険加入は住所がある役所での手続き…といった風に手詰まりになったり、住所がおけないために子ども手当が受け取れないとか、不都合が起こることもあります。

番外:配慮もある、あるけど…

上記の、特殊な例では、住民票等も含めて例えば自分しか戸籍謄本を取得できないようにする、なんていうこともできますが、手続きがあること、自治体にもよるかもしれませんが、その手続が1年の更新制で当事者来庁でしか手続き不可であったりと、本当に保護する気あるの? と思ってしまうような状態だったりします。秘匿したい事情がある人に1年に1回平日役所が開いてる時間に来い、でないと配慮はなくなるよ、って結構負担だと思うんですが、皆さんはどうお考えになられます?

役所側の工数が無駄に多くてミスも…

これは一般住民には関係ない部分もあるんですが、住民票と戸籍が連動してないことで、とんでもなく面倒臭い処理が行われています。

例えばとある人の住所が変更された場合、本人が住所変更前の役所で転出手続きをします。そこで役所は本籍地や筆頭者、前住所等が記載された転出証明書を本人に渡します。そして新住所の役所で転入手続きをします。そこで役所は前住所・本籍地・筆頭者等の情報を手入力します。もし新住所地で誰かと同居する場合は既に住んでいる人間と転入する本人の続き柄を本籍地に電話で確認します(正直めっちゃくちゃ手間です)。確認後、手入力です。

そして、新住所地と本籍地が違う場合、新住所地の役所は本籍地の役所に「この人住所変わったよ、戸籍に付いてる附票の住所変えてね」という通知を送ります。送られた本籍地の役所は、附票の変更を行いますが、言わずもがな手入力です。新住所地と本籍地が同じ役所であっても、附票は住所とはまた別端末に手入力です。

なので、正直に申し上げると間違いまくりです。未然に防げたり間違いが発見されればいいですが、何十年と間違えたままとか、住民票と戸籍謄本の漢字が違うので相続できませんなんてトラブルがあったとか…それもお役所は責任取れませんしね。百害しかない、みたいな状態ですね。

上記問題を解決するのって…

マイナンバーに個人情報を結び付ける、で解決するんじゃないかなぁ。自分の土地を持たない現代人に土地の地番で個人情報を管理するってだいぶ時代錯誤だと思うんです。

マイナンバーで管理すれば、出生から死亡までの戸籍の内容はマイナンバーひとつで呼び出せる、住所がどこに変わってもマイナンバーで管理してるからパスポートを取りたいときもどの自治体でも手続きできる、特殊な事情があって自分以外の他者から個人情報を秘匿したい場合もマイナンバー管理なら役所の手続きが簡単になります。マイナンバーに住所地と戸籍内容を紐付けたら処理が1回で済みます。住所等変更があった場合、本人は新住所地の役所に行くだけで済みますし、役所の入力作業も新住所1回入力で済むんですよね。

今まで全く不都合なかった人には不都合なくより便利に、今まで不都合あった人には不都合がなくなります。むしろ、住民票も併せて紐付けしたらわたしたち一般の人間には得しかないです。
良いことだらけで、マイナンバーをそうして使わず何に使うの? って個人的には思います。

ちなみに

橋下弁護士は戸籍の記載内容も変えろ、とおっしゃっているそうですが、わたしはとりあえず記載内容は変えずとも、マイナンバー管理にする運用を経て、表記の仕方とかをゆっくり変えていけばいいのではないかなぁと思いました。

今はパスポートが欲しい人も、就職で必要な人、相続で必要な人も、全く同じ表記の戸籍謄本を渡されます。だけど、マイナンバー管理にすれば、パスポート発行に必要な情報だけを記載したもの、就職で必要な情報だけ、相続で必要な情報だけ記載する等と、個人情報も高いレベルで情報管理ができると思います。

将来的にはそうなっていくのかもしれないですが、早く今の明らかな時代錯誤の制度が現代人の事情等に添うようになれば良いなぁと、いち、元役所の戸籍に関わっていた者としては思います。
以上、Nonでした。

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